動画タイムコードとは、動画内の特定の位置を示すための時間表記システムです。主に動画編集、放送、映画制作の現場で使用されます。
タイムコードの形式
タイムコードは通常「HH:MM:SS:FF」形式で表記されます。HH=時間、MM=分、SS=秒、FF=フレーム。例:「01:23:45:12」は1時間23分45秒12フレームを意味します。
フレームレート(fps)
フレームレート(fps = frames per second)は、1秒間に表示されるフレーム数です。映画は通常24fps、テレビ(PAL)は25fps、NTSC(日本・北米)は29.97fpsが標準です。フレームレートが異なると、同じタイムコードでも実際の時間が変わります。
ドロップフレームとノンドロップフレーム
29.97fpsは実際には30fpsではないため、時間のズレが生じます。ドロップフレーム(DF)は、このズレを補正するため、毎分の最初の2フレーム(ただし10分の倍数を除く)をスキップします。ノンドロップフレーム(NDF)はスキップせず、わずかなズレを許容します。
フレーム数
フレーム数は、動画の開始からの通算フレーム番号です。例:25fpsの動画で125フレーム目 = 5秒目(125÷25=5)。編集ソフトの内部処理ではフレーム数で管理されることが多いです。
秒数・ミリ秒
秒数は最も直感的な時間表現です。ミリ秒(1/1000秒)単位での表現は、字幕ファイル(SRT、WebVTT)やWeb動画プレーヤー(HTML5 video)で使用されます。
SMPTE タイムコード
SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers)タイムコードは、放送・映画業界の標準規格です。LTC(Linear Time Code)、VITC(Vertical Interval Time Code)などの形式があり、ハードウェア機器間での同期に使用されます。
タイムコード変換の重要性
異なるフレームレートの素材を統合する際、編集点の指定、字幕のタイミング調整、オーディオ同期など、正確なタイムコード変換は必須です。手計算ではミスが発生しやすいため、専用ツールの使用が推奨されます。