正規表現テスター

リアルタイム検証ツール

正規表現（Regular Expression/Regex）をブラウザ上でリアルタイムにテスト・デバッグできる無料オンラインツールです。パターンマッチング、検索・置換、グループキャプチャの動作を即座に確認でき、開発効率を大幅に向上させます。入力データはサーバーに保存されないため、機密情報も安全にテスト可能です。

使い方

正規表現テスターの使い方は非常にシンプルです：

ステップ1: 正規表現パターンを入力
テストしたい正規表現パターンを上部のフィールドに入力してください。フラグ（g, i, m, s, u）も選択できます。
ステップ2: テスト対象テキストを入力
正規表現でマッチングしたいテキストを下部のテキストエリアに入力してください。リアルタイムでマッチ結果が表示されます。
ステップ3: マッチ結果を確認
マッチした部分がハイライト表示され、グループキャプチャの内容も詳細に表示されます。マッチ数やインデックスも確認できます。

入力された正規表現とテキストはサーバーに保存されません。すべての処理はブラウザ上で完結し、プライバシーが完全に保護されます。

正規表現パターン

フラグ

g (グローバル検索)

i (大文字小文字を区別しない)

m (複数行モード)

s (ドットが改行にマッチ)

u (Unicode)

テスト対象テキスト

正規表現テスターの実用例

正規表現は、プログラミングやテキスト処理において以下のような場面で活用されています：

入力値の検証（バリデーション）

メールアドレス、電話番号、郵便番号、クレジットカード番号など、特定のフォーマットに従っているかを検証する際に正規表現が使用されます。例: `/^[a-zA-Z0-9._%+-]+@[a-zA-Z0-9.-]+\.[a-zA-Z]{2,}$/` でメールアドレスを検証。

データの抽出

ログファイルやHTMLから特定のパターンに一致するデータを抽出します。例: IPアドレス、日付、URLなどを大量のテキストから効率的に取り出せます。

検索と置換

テキストエディタやIDEで特定のパターンに一致する文字列を一括置換する際に正規表現が活用されます。変数名のリファクタリング、フォーマット変更などに便利です。

構文解析（パーシング）

CSV、ログファイル、設定ファイルなどの構造化されたテキストを解析し、必要な情報を抽出します。

サニタイゼーション（無害化処理）

ユーザー入力から危険な文字やパターンを削除・置換し、セキュリティリスクを軽減します。SQLインジェクションやXSS対策に役立ちます。

URLルーティング

Webフレームワークでは、正規表現を使ってURLパターンをルート定義にマッピングします。動的なURLパラメータの抽出に使用されます。

正規表現（Regex）とは？

正規表現（Regular Expression、略してRegex/Regexp）は、文字列のパターンを表現するための強力な記法です。特定のパターンに一致する文字列を検索、抽出、置換する際に使用されます。

基本的な正規表現の構文

正規表現では、以下のような特殊文字とメタキャラクターを組み合わせてパターンを記述します：

リテラル文字: `abc` → 文字列 "abc" に完全一致

ドット `.`: 任意の1文字にマッチ

アスタリスク `*`: 直前の文字が0回以上繰り返し

プラス `+`: 直前の文字が1回以上繰り返し

クエスチョン `?`: 直前の文字が0回または1回

量指定子 `{n,m}`: 直前の文字がn回以上m回以下

文字クラス `[abc]`: a、b、cのいずれか1文字にマッチ

否定 `[^abc]`: a、b、c以外の1文字にマッチ

行頭 `^`: 行の先頭にマッチ

行末 `$`: 行の末尾にマッチ

グループ `(abc)`: グループ化とキャプチャ

選択 `a|b`: aまたはbにマッチ

実用的な正規表現の例

メールアドレス: `^[a-zA-Z0-9._%+-]+@[a-zA-Z0-9.-]+\.[a-zA-Z]{2,}$`
電話番号（日本）: `^0\d{1,4}-\d{1,4}-\d{4}$`
URL: `^https?://[\w\-.]+(:\d+)?(/[\w\-./?%&=]*)?$`
日付（YYYY-MM-DD）: `^\d{4}-\d{2}-\d{2}$`
IPv4アドレス: `^((25[0-5]|2[0-4]\d|1\d{2}|[1-9]?\d)\.){3}(25[0-5]|2[0-4]\d|1\d{2}|[1-9]?\d)$`

正規表現を使うメリット

処理の効率化

複雑な文字列操作を1行のコードで実現できます。ループや条件分岐を使った冗長なコードを大幅に削減し、可読性と保守性を向上させます。

柔軟なパターンマッチング

固定された文字列だけでなく、可変長や条件付きのパターンにも対応できます。例えば「3桁の数字の後にハイフン、その後4桁の数字」といった複雑な条件を簡潔に表現できます。

言語横断的な知識

正規表現の基本文法は、ほぼすべてのプログラミング言語（JavaScript、Python、Java、PHP、Rubyなど）で共通しています。一度習得すれば、どの言語でも活用できます。

信頼性の高い検証

ユーザー入力の形式チェックを厳密に行えるため、セキュリティリスクを軽減し、データの整合性を保てます。

正規表現を使いこなすコツ

シンプルから始める: 最初は単純なパターンから作成し、徐々に複雑化させましょう。
テスターを活用: 正規表現は複雑になりがちです。このようなオンラインテスターで動作を確認しながら作成することが重要です。
特殊文字のエスケープ: `.`, `*`, `+`, `?`, `[`, `]`, `(`, `)`, `{`, `}`, `^`, `$`, `|`, `\` などの特殊文字をリテラルとして使う場合は、バックスラッシュ `\` でエスケープします。
貪欲マッチに注意: `*` や `+` はデフォルトで貪欲（最長一致）です。必要に応じて `*?` や `+?` で非貪欲にしましょう。
グループを活用: `()` でグループ化すると、キャプチャした部分を後で参照できます。置換処理で特に便利です。

よくある質問（FAQ）

正規表現とワイルドカードの違いは何ですか？

ワイルドカード（`*`, `?`）はシェルやファイル検索で使われるシンプルなパターンマッチングです。正規表現はより強力で、複雑な条件、量指定子、グループ化、後方参照など、高度な機能を持っています。

正規表現は遅いですか？

適切に書かれた正規表現は非常に高速です。ただし、過度に複雑なパターンや「catastrophic backtracking（破滅的バックトラック）」を引き起こすパターンは処理が遅くなることがあります。シンプルで効率的なパターンを心がけましょう。

正規表現はすべてのプログラミング言語で同じですか？

基本的な文法は共通していますが、細かい仕様や利用可能な機能は言語やライブラリによって異なります。PCRE（Perl互換正規表現）、POSIX、ECMAScript（JavaScript）など、いくつかの方言があります。

正規表現で日本語やUnicodeを扱えますか？

はい、可能です。多くの現代的な正規表現エンジンはUnicodeに対応しています。JavaScriptでは `u` フラグを使用することで、サロゲートペアや絵文字も正しく扱えます。

正規表現でHTMLやXMLをパースできますか？

推奨されません。HTMLやXMLは入れ子構造を持つため、正規表現だけで完全にパースすることは困難です。専用のパーサーライブラリ（DOMParser、BeautifulSoup、lxmlなど）を使用してください。

正規表現のパフォーマンスを改善する方法は？

1) 不要な貪欲マッチを避ける、2) 可能な限り具体的なパターンを使う、3) 不要なキャプチャグループを避ける（`(?:...)` を使う）、4) アンカー（`^`, `$`）を活用する、などが有効です。

正規表現を学ぶおすすめの方法は？

1) 基本的なメタキャラクターから学ぶ、2) このようなオンラインテスターで実際に試す、3) 実務で使う具体的なパターン（メールアドレス検証など）を書いてみる、4) 既存のパターンを読んで理解する、という順序がおすすめです。

このツールで使用できる正規表現エンジンは？

このツールはJavaScriptの標準正規表現エンジン（ECMAScript準拠）を使用しています。ブラウザ上で動作するため、サーバー側の言語（Perl、Python、Javaなど）とは若干動作が異なる場合があります。